夢美セレクション展
Yume Art Museum Best Selection

2025/2/8(土)〜2025/3/23(日)
開館時間 : 10:00〜19:00 入館は閉館の30分前まで
休館日 : 月曜日 ※ただし、祝日の場合は開館し翌火曜日休館
大野五郎《赤と緑の風物》1955年 八王子市夢美術館蔵

展示概要

八王子市夢美術館では現在、2,000点以上の作品を収蔵・管理しています。今回の「夢美セレクション展」では、洋画家の大野五郎、小島善太郎の油彩作品を展示するほか、現代版画の中から、城所祥の木版画、清原啓子の銅版画、そして夢美術館に寄贈されてから初めてのご紹介となる、靉嘔のシルクスクリーンを展示します。また、昨年度寄贈を受けた神邊コレクションからは、主に明治~大正期に活躍した出版社・金尾文淵堂が発行した小説の木版口絵を中心にご覧いただきます。さらに、今年度新たに夢美術館に寄託されることとなった、自動人形師・ムットーニ(本名:武藤政彦)による近年の代表作6点もお披露目いたします。バラエティ豊かな作品の数々をお楽しみください。


展示構成
第一章 神邊コレクションの近代木版口絵 明治

第一章では、主に明治から大正期にかけて活躍した出版社・かなぶんえんどう が発行した書籍を中心に、神邊コレクションの近代木版口絵20点あまりをご紹介します。


(左)鏑木清方画 菊池幽芳『百合子 前編』口絵 1913年 金尾文淵堂発行 八王子市夢美術館蔵

(右)菊池幽芳『百合子 前編』1913年 金尾文淵堂発行(装丁:杉浦非水)八王子市夢美術館蔵

【神邊コレクション】
2023年6月に八王子市内在住の美術コレクターから寄贈を受けた、近代木版口絵とその関連資料のコレクション。その内容は、江戸時代後期~明治時代に出版された合巻、明治時代~大正時代に制作された、おもに木版画、石版画による口絵つきの書籍や雑誌、そして書籍から切り離され、シートの状態になっている近代木版口絵の、総計1,000点を超える作品で構成されている。

第二章 夢美術館の近現代版画

第二章では、夢美術館に収蔵されている現代版画の中から、城所祥の木版画、清原啓子の銅版画、近年寄贈を受けた靉嘔のシルクスクリーンを展示します。


(左)城所 祥《静物’87》1987年 八王子市夢美術館蔵

(中央)靉嘔《オープニング或いはマスゲーム》1988年 八王子市夢美術館蔵

(右)清原啓子《絵画》1979年 八王子市夢美術館蔵

【作家略歴】

●靉 嘔(あいおう)
1931年茨城県生まれ。本名・飯島孝雄。1954年に東京教育大学芸術学科を卒業。1953年からデモクラート美術家協会に参加。1958年ニュ-ヨークに渡り、前衛芸術集団「フルクサス」に参加。この頃からレインボーカラーを用いた独自の表現行為を展開。1970年《レインボー北斎》で第7回東京国際版画ビエンナーレ東京国立近代美術館賞受賞。他にもバンクーバー国際版画ビエンナーレ展特別賞、ジャパン・アート・フェスティバル外務大臣賞、リストウエル国際版画ビエンナーレ大賞等、多数受賞。


●城所 祥(きどころ-しょう)
1934年八王子市生まれ。中学の頃から木版画に興味を持ち、高校でも美術部に所属するなど美術に親しむが、家業を継ぐため早稲田大学商学部に進学。卒業後ふたたび版画家の道を志して国内外で活躍し、日和崎尊夫、柄澤齊らと「鑿の会」を結成するなど旺盛に活動するも、53歳で逝去。


●清原啓子(きよはら-けいこ)
1955年八王子市生まれ。1976年多摩美術大学絵画科に入学、1978年に版画コースに進んで深沢幸雄、渡辺達正から銅版画を学ぶ。1981年に多摩美術大学大学院を中退し、1982年に日本版画協会賞を受賞。1983年には番町画廊(東京、銀座)で初の個展を開催するなど、若くして精力的に活動したが、1987年7月、31歳で他界。

第三章 夢美術館の近現代油彩画

第三章では、洋画家の大野五郎、小島善太郎の油彩画を展示します。


(左)小島善太郎《花と人形》1979年 八王子市夢美術館蔵
(右)大野五郎《赤と緑の風物》1955年 八王子市夢美術館蔵

【作家略歴】

●小島善太郎(こじま-ぜんたろう、1892年~1984年)
1892年、現在の東京都新宿区に生まれる。少年期に極貧の生活を送るが、のちに援助を得て絵を学び、1922年から3年間パリに留学。帰国後の1926年、留学先で交流を深めた画家仲間5人で1930年協会を結成し、当時の画壇に新風を吹き込む。後半生を八王子・日野で過ごし、独立美術協会の重鎮として、日本近代洋画壇の振興につとめた。1984年逝去。


●大野五郎(おおの-ごろう、1910年~2006年)
1910年、現在の東京都北区に生まれる。祖父、父はいずれも足尾銅山事件で知られる谷中村の村長を務めた。また、詩人の逸見猶吉(本名・大野四郎)は兄にあたる。1928年、1930年協会展に初入選し、翌年には同展奨励賞を受賞。1931年、独立展でO氏賞を受賞。1943年、靉光、寺田政明らと新人画会を結成。1947年には独立美術協会を脱会し、自由美術協会に参加する。1964年、寺田政明らと主体美術協会を創立。1979年には八王子に居を定め、2006年に逝去するまで画壇で活躍した。

第四章 夢美術館のムットーニコレクション

本展覧会最後の章となる第四章では、今年度新たに夢美術館に寄託された、自動からくり人形作家「ムットーニ」こと武藤政彦氏の作品6点をお披露目します。


(左)ムットーニ《花、根源、そして愛(部分)》2020年 ©MUTTONI 個人蔵
(中)ムットーニ《ローズ・オブ・ウィンド(部分)》 2013年 ©MUTTONI 個人蔵
(右)ムットーニ《アナザー・ウィングズ(部分)》2023年 ©MUTTONI 個人蔵

【作家略歴】

●ムットーニ(本名:武藤政彦)
1956 年横浜市生まれ。工場が立ち並ぶ京浜工業地帯で少年時代を過ごす。家に帰ると、その日見て感じたモノを油粘土で再現して遊んでいた。十代半ばから油彩画を描き始め、高校卒業後、創形美術学校に入学。卒業後、東京都国立市にアトリエを構え、のちに再び粘土による人形制作に没頭。人形、光、効果音、背景の転換などの要素を詰め込んだ「箱」が、電動の仕掛けによりストーリー展開していくという独自の世界を確立し、高い評価を得ている。文学作品をモチーフにしたものは、世田谷文学館、前橋文学館にコレクションされている。

ギャラリートーク①「夢美セレクション展」事前申込不要

展覧会担当学芸員が、作品鑑賞のポイントや展示のみどころを解説します。
出品作品のうち、現代版画および近代油彩作品について解説します。

日時:2025年2月22日(土) 午後3時〜(約40分)
詳細はこちらの「イベント」ページからご覧いただけます。

ギャラリートーク②「夢美セレクション展」事前申込不要

展覧会担当学芸員が、作品鑑賞のポイントや展示のみどころを解説します。
出品作品のうち、神邊コレクションの近代木版口絵について解説します。

日時:2025年3月1日(土) 午後3時〜(約40分)
詳細はこちらの「イベント」ページからご覧いただけます。

展覧会データ

特別展
夢美セレクション展

会期

2025/2/8(土)〜2025/3/23(日)

会場

八王子市夢美術館

休館日

月曜日
ただし、祝日の場合は開館し翌日休館

開館時間

10:00〜19:00
ただし、入館は18:30まで

観覧料

一般:400円
学生(高校生以上)・65歳以上:200円
中学生以下無料

主催

特別協力

武藤政彦

八王子市夢美術館 〒192-0071
東京都八王子市八日町8-1ビュータワー八王子2F
TEL 042-621-6777  FAX 042-621-6776
開館時間 10:00〜19:00(入館は18:30まで)

※開館時間は変更になることがあります。

休館日 月曜日(ただし祝休日の場合は開館し、翌火曜日が休館)
および年末・年始(12/29〜1/3)、展示替期間。

※休館日は変更になることがあります。