今日、日本のアニメーションが海外から高い評価を得ていることは、もはや言うまでもありません。そうしたアニメーション作品の質の高さは1970年代後半頃から革新を遂げますが、中でも多大な貢献を担った安彦良和氏の存在は大きなものと言えます。映画「宇宙戦艦ヤマト」を絵コンテ担当として手掛けながら「機動戦士ガンダム」ではキャラクターデザインと作画監督をつとめ、処女作となる漫画作品「アリオン」は話題となり映画化もされました。原作・デザイン・監督と多彩に活躍しながら、一貫した品質で多くの作品を発表する安彦氏は、「子ども向け」とされていたアニメーション・漫画を大人も魅了するレベルまで引き上げた一人と言えます。こうしたメディア表現の可能性を広げる安彦氏の作品は、現在様々な分野で活躍しているクリエーターにも多大な影響を与えています。
本展覧会では、「安彦画」とまで言われた画風の魅力を、初期から現在執筆中の作品までのアイデアスケッチ、設定画、漫画原稿、下絵などの原画300点で紹介します。また、参考出展として映像展示やキャラクターフィギアなども合わせて展示、安彦氏の原画展としては最大規模となる内容で四半世紀以上も続く人気作品を生み出すその創作の秘密に迫ります。
作者プロフィール
安彦良和(やすひこ よしかず)
安彦良和(やすひこ よしかず)
1947年北海道紋別郡遠軽町に生まれる。
1966年国立弘前大学入学。1970年上京、虫プロダクション入社。この頃から卓越した画力とセンスは業界内でも「天才」と評価されていた。
1973年に現在のアニメーション制作会社「サンライズ」に所属、数多くの「サンライズ作品」を手掛け、「勇者ライディーン」から「機動戦士ガンダム」へとキャラクターデザイン・作画監督と当時のアニメーションブームの一時代を築いた一人として人気を高める。後に漫画家に転身、「アリオン」や「ヴィナス戦記」を発表し人気となり、後に映画化される。また歴史、神話を題材とした多くの漫画作品でも独自の視点に定評があり「虹色のトロツキー」「ナムジ」「王道の狗」など、数多くの作品を描く。
2001年から「ガンダム」を改めて漫画として描き、当時のテレビアニメでは描ききれなかった内容も加えて「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」として連載を開始、創刊から予想越える売れゆきと反響を呼び、四半世紀以上の時を経った今でも「ファースト」※を改めて描く安彦良和への人気と関心の多さを証明した。現在、好評連載中 2006年から神戸工科芸術大学の教壇に立ち、若い学生達とも積極的に接してゆく。
※長年続く人気のガンダムシリーズの初期作品を関係者やファンの間では「ファースト」と呼んでいる。
1966年国立弘前大学入学。1970年上京、虫プロダクション入社。この頃から卓越した画力とセンスは業界内でも「天才」と評価されていた。
1973年に現在のアニメーション制作会社「サンライズ」に所属、数多くの「サンライズ作品」を手掛け、「勇者ライディーン」から「機動戦士ガンダム」へとキャラクターデザイン・作画監督と当時のアニメーションブームの一時代を築いた一人として人気を高める。後に漫画家に転身、「アリオン」や「ヴィナス戦記」を発表し人気となり、後に映画化される。また歴史、神話を題材とした多くの漫画作品でも独自の視点に定評があり「虹色のトロツキー」「ナムジ」「王道の狗」など、数多くの作品を描く。
2001年から「ガンダム」を改めて漫画として描き、当時のテレビアニメでは描ききれなかった内容も加えて「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」として連載を開始、創刊から予想越える売れゆきと反響を呼び、四半世紀以上の時を経った今でも「ファースト」※を改めて描く安彦良和への人気と関心の多さを証明した。現在、好評連載中 2006年から神戸工科芸術大学の教壇に立ち、若い学生達とも積極的に接してゆく。
※長年続く人気のガンダムシリーズの初期作品を関係者やファンの間では「ファースト」と呼んでいる。
1981年
星雲賞のアート部門を受賞。
1992年
「ナムジ-大國主-」で日本漫画家協会優秀賞を受賞。
1997年
「三河物語」(マンガ日本の古典シリーズ)第一回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。
2000年
「王道の狗」で第四回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。