これまでの展覧会の紹介
アルフォンス・ミュシャ展
Alfons Mucha
休館日 : 月曜日
展示内容
19世紀末パリ、ベル・エポック(美しき時代)を彩り、アール・ヌーヴォーを牽引したアルフォンス・ミュシャ。1860年、民族意識の色濃いモラヴィア地方の村イヴァンチッツェ(現チェコ共和国)に生まれたミュシャは、27歳のときパトロンの援助を受けパリ留学を果たします。その後援助が終了すると、挿絵画家として細々と生計を立てていましたが、34歳のとき転機が訪れます。当時パリで名高い女優サラ・ベルナールの舞台「ジスモンダ」の宣伝用ポスターを手掛けたことで、一躍時代の寵児となったのです。貼ったそばから剥がされるほど反響を呼んだミュシャのポスターは、サラの心をも掴み6年間のポスター制作契約を結ぶに至ります。
サラとの仕事で名を馳せたミュシャのもとには、ポスターはもとより装飾パネル、カレンダー、商品パッケージなど様々なデザインの依頼が殺到します。とりわけ装飾パネルは、リトグラフで制作することで大量生産と安価での販売が可能になり、それまで富裕層の特権であった芸術を、一般市民にまで広める役割を果たしました。そして何より、優美な女性像と草花の有機的な曲線美を活かしたデザインは、「ミュシャ・スタイル」としてひとつのデザインのジャンルを確立し、ついにミュシャはアール・ヌーヴォーを代表する芸術家(ポスター画家、デザイナー)にまで昇りつめます。
1900年には第5回パリ万博において、ボスニア・ヘルツェゴビナ館の装飾および、オーストリア=ハンガリー帝国のためのポスター制作の依頼を受けます。特にボスニア・ヘルツェゴビナ館の装飾は、晩年の《スラヴ叙事詩》制作の足掛かりとなりました。ミュシャはこの後商業的な仕事からは距離を置き、後半生を祖国チェコとスラヴ民族に捧げることになります。
1906年以降アメリカに拠点を移したミュシャは、《スラヴ叙事詩》制作のための資金の目途が立つと、1910年チェコに帰国します。祖国に戻ったミュシャは《スラヴ叙事詩》制作と並行して、プラハ市民会館の壁面装飾のほか、1918年にチェコスロヴァキア共和国が独立すると、切手や紙幣など新国家に関連するあらゆるデザインを無報酬で引き受けました。こうした姿勢は、パリ時代に芸術を一般市民も親しめるものにしたいと尽力した姿と重なり、ミュシャが「民衆のための芸術」という信念を終生貫いたことを表しています。
本展では、パリ時代の華やかなポスター、装飾パネルをはじめ、画学生の手引きになるようにと制作された『装飾資料集』などを中心に、祖国発展のため手がけた切手や紙幣のデザイン、《スラヴ叙事詩》のパネルなどを通して、後半生を捧げた祖国チェコへの献身にも焦点を当てます。
その他
■特設ミュージアムショップ
本展では特設会場を設けてミュシャグッズを販売いたします。ポストカード、ステーショナリー、エコバッグなど。OGATAコレクション額装品の販売も行っています。
ミュージアムショップのみのご利用も可能です。
■撮影OK
本展では全作品の写真撮影が可能です(三脚、自撮り棒、フラッシュは使用不可)。
ギャラリートーク「アルフォンス・ミュシャ展」(申込不要)
終了しました
費用:無料(ただし鑑賞券の購入が必要です)
※会期中の土・日を中心に5〜6回程度開催予定です。事前に館内掲示、HPなどでお知らせします。
講演会「ミュシャの魅力」(要事前申込) 終了しました
日時:2023年5月9日(火) 午後2時30分から1時間程度
会場:いちょうホール(八王子市芸術文化会館・八王子市本町24-1)1階 第1展示室
定員:40名 ※応募者多数の場合は抽選
特別展
アルフォンス・ミュシャ展
会期
開館時間
入館は閉館の30分前まで
休館日
会場
観覧料
学生(高校生以上)・65歳以上:400円
中学生以下無料